2010/07/27

日本ではなく、JAPANへ

ポルトガルで旅に一区切りつけ、日本までの航空券を探すと、スペインの首都、マドリードからの安いチケットが見つかった。出発日は少し先だったが、これは闘牛、フラメンコの発祥の地で、最もスペイン的といわれるアンダルシア地方を見て帰れ、という旅の神様からのお告げだと勝手に解釈し、最後、アンダルシア地方を旅した。





地中海を望むビーチリゾートでゆっくりして、旅を総括したいという思いがあったのですが、少なからず移動をして新たなものを目にする、ということを続けている限り、「旅を整理する」ということはできない、というのが今の感想です。

これから日本に帰るわけですが、日本という「内」から飛び出し、海外という「外」に出て、こうして旅を続けてきたことで、今、日本が「内」という感覚ではなくなっているように思えます。実はこれが旅に出る前の「ねらい」の一つでもありました。つまり、日本を「日本」ではなく「JAPAN」いう目で見れるのではないか、ということです。それは数日間のことかもしれませんが、その時間を大切にして、「JAPAN」を見てみたいと思います。

また、少々馬鹿げたことではありますが、日本に着いたらこれまでの旅でやってきたことと同じように、外国人のふりをして道を尋ね、安宿を探す、といったことを東京あたりでやってみたいな、なんて考えてもいます。

それでは、「JAPAN」に行って、納豆でもゆっくり食べて、しばらくゆっくりしたいと思います。ポルトガル以降の旅についても書きたいと思いますが、どうなるかわからないので、とりあえず、このブログもここで一区切りということで、



皆さん、本当にありがとうございました。
Muchas Gracias.


 



 

2010/07/16

Where is your final destination?

あれは確か、マケドニアの首都、スコピエでのことだったか。その時私は、ユーロからマケドニアの現地通貨に両替するために、デパートの内部にある両替所に行った。その両替所の店員に両替を頼むと、パスポートの提示を求められたので、パスポートを渡した。するとその店員は、私のパスポートの査証のページをペラペラめくり、無数の入出国のスタンプを見て、長く旅してるのだということを悟ると、私にこう言った。

「Where is your final destination?」

両替所の店員にこんな気の利いたことを言ってくる人はいなかったので驚いたが、私もすかさずこう返した。

「The end of the world」 かっこよく言うと「この世の果て」までと。


ポルトガルは、その国名の由来となった町、ポルト、ポルトガル人の誰もがお勧めする町、コインブラ、「7つの丘の街」と呼ばれる坂の多い首都、リスボン、歴史的な王宮、宮殿、城跡の残るシントラ、ユーラシア大陸最西端のロカ岬、夏には多くの観光客が集まるリゾート地、ラゴス、ユーラシア大陸最南西端のサグレスを訪れた。

ラゴスという町はリゾート地であるためホテルをはじめとする宿泊施設がも軒並み高い所ばかりだった。しかし、幸運にも「貸し部屋」をしている民家を見つけ、そこに安く滞在することができた。そのラゴスの海で久しぶりに泳いだ。エジプトのダハブ以来の海に興奮しすぎて、泳ぎ始めに若干溺れそうになってしまった。。。

夕方、民家に戻り自分で調理した料理とビールを飲みながら、民家のテラスでゆったりした気分で海と夕日が沈んでいく景色を眺めた。そうして優雅な時間を過ごしていると、この旅の終着地はここだな、と思うものがあった。

また、サグレスの岬もよかった。ロカ岬より知名度は低いが、サグレス岬には、見たことのないような植物が生き、断崖絶壁の崖があり、美しい海が広がり、まさに、「この世の果て」のような場所だった。

ポルトガルはスペインと比べると、どこか田舎的で、町も人も落ち着いている感じがした。そこに少し物足りなさを感じたりもしたが、ゆったりとした時間が流れるポルトガルは、旅の終わりを迎える旅人にとって最適の地であるのかもしれなかった。


レトロな路面電車が走る、ポルト


ポルトガル人の誰もが絶賛する、コインブラ


ポルトガル版松岡修造がいる、リスボン


ポルトガルの緑多き避暑地、シントラ


ユーラシア大陸最西端、ロカ岬


ポルトガル屈指のリゾート地、ラゴス


この世の果て、サグレス岬


ポルトガルビールシェアナンバー1、サグレスビール(フィーゴが広告塔) 
グビ グビ グビ プハ~。ビールが旨い季節がきましたな。
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2010/07/08

Ring the bell for someone

おそらく最後になるだろう国、ポルトガルへとやってきた。ポルトガルに来て自分が受けた印象といえば、同じイベリア半島の国なのに、スペインより英語を話せる人が格段に多いということ、どこの町へ行ってもとにかくきつい坂が多いということ、日曜もスーパーマーケットが開いているということ(喜)だろうか。

そしてここ数日、38℃ととにかく暑い日々が続いている。町歩きするのにも1.5リットルのペットボトルを持ち歩かなくてはいけない。ヨーロッパの夏がこんなに暑いものだとは思ってもいなかった。日陰に入ればそこそこ涼しいが、日の下に出ると帽子、サングラス無しでは歩いてられない。普段サングラスなんてものは掛けないが、この日差しの強さには勝てず、H&Mで3ユーロと格安で売っていたサングラスをつい購入してしまった。そう、“してしまった”。なぜなら、このサングラスがかなり似合わなかった。メガネのレンズの部分が異様に大きく、ジョニー・デップが映画で掛けるようなサングラスなのだ。そりゃ似合わない。

ポルトガルに入り最初に訪れたポルトという町で、驚くことがあった。
ポルトに入る前に調べた情報によると、15ユーロ程で泊まれる安いペンションがあるようだったので、そのペンションに行った。すると、そのペンションで日本人の女性が働いていた。あまり突っ込んだ質問はしなかったが、日本で生まれ、ポルトガルで育ち、その後、宿のオーナーであるポルトガル人男性と結婚し、その宿で働いているようだった。

その日本人女性は私に様々な情報を教えてくれた。ポルトという町が世界遺産に登録されていることから、建物の改築から補修までUNESCOによって厳しく管理、統制されていること。したがって、観光客はいいが住む者にとっては面倒なことが多いということ。また、ポルトガルのおいしい料理、おいしいワイン、おすすめの町といったことまで。ポルトガルのガイドブックを持たない私にとっては、実に有難い情報だった。

そして、その宿で数日過ごしたある日、もっと驚くことが起きた。
外に観光に出ようと部屋から階段を降り、宿の受付の前を通ろうとすると、“ひで”がいるではないか。

ひでとの出会いは、中国からベトナムに国境を越へた日まで遡る。その国境を越えるバスに同乗していてたひでは、ベトナムのバス休憩所で私に話しかけてきてくれた。その時、ひでは同い年22歳の“こうへい”と行動を共にしていて、それから先も、ベトナムを南下してカンボジアに入りタイへ抜けるまでのルートが皆同じだったため、行く先々でひでとこうへいと食事や酒を共にした。

特にカンボジアのアンコールワットのある町シェムリアップでは、毎日何十キロも自転車を走らせて遺跡巡りをしては、夜、3ドルで食べ放題の店で食事する、という日々を過ごしたのがとても思い出深い。自分のなかで間違いなくあの時が、この旅における“青春時代”だった。だから、シェムリアップで別れてからも、ひでとこうへいは元気かな、と考えることがよくあった。

その後、偶然にも、ひでとはマレーシアのクアラルンプールで再会し、こうへいとはインドのバラナシで再会した。本当に驚きだった。

そしてなんと、ひでとここユーラシア大陸の西端の国で、二度目の再会を果たすとは。なんていうミラクルだろう。ヴァスコ・ダ・ガマか、フランシスコ・ザビエルか、はたまたルイス・フィーゴの力だろうか。再会後にひでと一緒に町を歩きながら話をするも、驚きの余韻が残り、地に足が着かない感じがした。でもそれは、ひでも同じだったに違いない。

ひではお兄さんの結婚式のため年末年始に一時帰国。その後、カンボジアで学校建設のボランティアをし、歯が欠けるというトラブルに見舞われながらも、旅を再開させ、インド、中近東、モロッコ、スペイン、ポルトガルへと進んできたようだ。この先は、一度スペインに戻り、マドリッド、バルセロナを訪れ、南米に飛ぶらしい。

別れの時、「気をつけて、そして、楽しんで南米を旅してきて」とひでに伝えると、ひでは私に、「旅の最後、気が緩みがちだから気をつけてください」というアドバイスをくれた。さすがは世界の“ひで”だ。終了間際のロスタイムが一番危険な時間帯だということを知っているのだろう。

有難いアドバイスだと思うと共に、ひでの言った“最後”という一言を聞いたとき初めて、この旅がもうすぐ終わるのだということを実感した。


追伸、
永遠に続くと思えた旅ももう終わります。
最後、自分のなかでこの旅をゆっくり整理して、心落ちつけて日本に帰る予定です。 なので近々、最終回となりそうです。


ひでと再会した世界遺産の町、ポルト。


再会後、ATMから現金をパクろうとするひで。(パクってません)


再会後、犬を盗撮するひで。(じゃなくて、ひでを盗撮する俺)


ひでとこうへいと往復120キロを原チャリで走って行った、なつかしのベトナム、ミーソン聖域。


なつかしのベトナム飯、確か全部含めて80円くらい。
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