2010/02/07

旅とAPPLE TEAと私

ある朝、無料の朝食をとるために宿の食堂へと向った。セルフサービスである飲み物を取りに行き、何種類かあるホットドリンクの中からトルコ名物のアップルティーを選ぶ。それを注いでいる数秒の間にどっちにしようかなと思った。

カップギリギリまでなみなみと注ごうか、いいあんばいのところで止めようか。「欲張っちゃいかんな」そう思って、いいあんばいのところでアップルティーを注ぎ終え、カップを持って席についた。

ん??
さっきの感覚、何かに似てるな。

ユーラシア大陸を1年かけて旅する、そう決めてはじめた旅だった。だが、旅の途中で出会った多くの旅人達から少なからず影響を受けると、こう考えるようになった。アフリカも、南米も行っちゃおうか。アフリカや南米では、黄熱の予防接種証明がないと入国を拒否される国もあるらしい。それを知りると、バンコクの赤十字で黄熱の予防接種をして、証明書を手に入れた。これで世界を周れる。2年でも3年でも旅しよう。あの時はそう考えていた。

だが、旅に出て8ヶ月、インドを出国する頃にこう感じるようになっていた。
だいぶ感動や驚きが薄れてきているな。

旅に出る前に幕張のアウトレットショップで買った相棒NEW BALANCE 782の靴底も、もうだいぶ磨耗してきている。それは私の気力、体力、好奇心の消耗と比例しているようだった。 このまま2年も3年も旅を続けても、輝く星も、ただの星としか見れないだろう。だから、欲張ることなく、予定通りユーラシア大陸で旅を終えよう。そう思い直した。

日本を出るとき空っぽだった私のカップは、今、温かく甘いアップルティーで満たされつつある。もし、このまま注ぎ続ければ、おいしいアップルティーがカップから零れ落ちてしまう。それはもったいないし、火傷する恐れもある。日本に戻って、カップが空になったら、またアップルティーを注げばいいのだ。それはずっと先でもいい。アップルティーを味わう楽しみをとっておくのだ。


P.S 
ここまで書いたことと矛盾するようですが、旅はまだ続きます。
しかも、全く計画していなかった方向へと。
乞うご期待ください。




初めて買ったCDは「部屋とYシャツと私」。キャラ違いで恥ずかしい。

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