2010/01/22

回避

約2週間、風邪のような症状のわけの分からぬ病と格闘した末、体調が幾分良くなったところで、キルギスのビシュケクよりウズベキスタンの首都タシケントへ向かうことにした。出発前日にバスターミナルで出発時刻を確認すると、バスは毎日出ているが20:50発の一便しかないらしい。万全でない体で夜をバスで明かすことは心配だったが、これ以上キルギスでもたもたしてられない。それにウズベキスタンはカザフスタンやキルギスより南部に位置しているため、それ程寒くないようだ。とにかく、ウズベキスタンに行こう。そう思いバスのチケットを購入した。

出発当日、バスに乗り込む。なかなか悪くないバスのようだ。リクライニングも利く。ただ、暖房を入れているのかわからないくらい車内は寒い。こんな事もあろうかと、防寒着を総動員し着込んできた。それでも、少し寒さは感じたが。

今回のバスの移動は、バス内で夜を明かすこと以外に、もう一つの試練が待ち受けている。それは、おそらく今まで経験したことがない、、一度の移動で2つの国境を越えるということである。つまり、キルギス→カザフスタン間の国境、カザフスタン→ウズベキスタン間の国境と越えていかなくてはならない。それもヨーロッパのように簡単に国境を越えられるわけではない。入国時の滞在登録の申請から、税関申告書の作成、荷物のチェックも受けなければならないのである。キルギスとウズベキスタンは国境を面している。キルギスから直接ウズベキスタンに出入国できればと思うのだが、こればかりはしょうがない。道がそう通っているのだから。

バスが発車し、うとうとし始めた頃、まわりの乗客の足音で目が覚めた。どうやらカザフスタンに入る国境に着いたらしい。時計を見ると23:30を指している。バスの外に出るとおそろしい寒さが襲ってきた。その寒さのなか、入出国の手続きを終え、再度バスに乗り込んだ。そして、ふとこんなことを思った。自分の体は今、小さくなりつつあるが、病という爆弾をかかえている。この病がいつ再発するともかぎらない。今回の移動で最も重要なことは、この病を再発させないことだ。そう自分に言い聞かせ、いくらか寒い窓側の席から、通路側の席に移り、眠りについた。

翌日10:00頃、ウズベキスタンに入る国境に到着した。バスはウズベキスタンに入ることができないらしく、これから先は、別の交通手段でタシケントに向かわなければならない。カザフスタンの出国検査では、税関職員にバックのなかを調べられた。バック内の旅具を取り出し、なんじゃこれ、と言った感じで聞いてくる。簡単な英語で答え、納得する。が、荷物検査というより、税関職員の興味本位であれこれ取り出そうとする。そこで、”あーもう荷物グチャグチャにするなよー!”ってジェスチャーをすると、それ以上調べるのは止めた。(変なものは入ってないので強気)
次は、ウズベキスタンの入国手続き。ウズベキスタンは外国人の不法滞在が問題となっているらしく、入出国審査が厳しいらしい。私も現在の所持金(T/C含む)など正確に申告したが、その額が多いせいか、別室に連れていかれ、T/Cを一枚一枚数えられた。時間はかかったものの無事ウズベキスタン入国をはたした。

さて、この先タシケントまで何でどう行ったらいいか分からない。国境を越え少し歩くと50メートル程先に税関で言葉を交わした人が立っている。その人の所まで行くと、これからタシケントまで一緒に行こうと言ってきた。願ってもない誘いである。話によると、ここからタシケントまではタクシーで行くしかないとのことで、その人とタクシー代をシェアしてタシケントに向かうことになった。もっとも、その人とは、生まれて初めて会うアフガニスタン人だった。アフガニスタン人といっても、日本人にちかい顔立ちをしている。アフガニスタン人もこのような顔立ちの人がいるのかと疑問に思った。アフガニスタンはウズベキスタンの南に位置する。だから、ウズベキスタンでアフガニスタン人に会っても驚くことではないようだ。

昼の12:00頃、無事目的の宿に着き、15時間のバス移動を終えた。どうやら爆発は免れたらしい。



カザフスタン→ウズベキスタン間国境の両替人

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