2010/07/08

Ring the bell for someone

おそらく最後になるだろう国、ポルトガルへとやってきた。ポルトガルに来て自分が受けた印象といえば、同じイベリア半島の国なのに、スペインより英語を話せる人が格段に多いということ、どこの町へ行ってもとにかくきつい坂が多いということ、日曜もスーパーマーケットが開いているということ(喜)だろうか。

そしてここ数日、38℃ととにかく暑い日々が続いている。町歩きするのにも1.5リットルのペットボトルを持ち歩かなくてはいけない。ヨーロッパの夏がこんなに暑いものだとは思ってもいなかった。日陰に入ればそこそこ涼しいが、日の下に出ると帽子、サングラス無しでは歩いてられない。普段サングラスなんてものは掛けないが、この日差しの強さには勝てず、H&Mで3ユーロと格安で売っていたサングラスをつい購入してしまった。そう、“してしまった”。なぜなら、このサングラスがかなり似合わなかった。メガネのレンズの部分が異様に大きく、ジョニー・デップが映画で掛けるようなサングラスなのだ。そりゃ似合わない。

ポルトガルに入り最初に訪れたポルトという町で、驚くことがあった。
ポルトに入る前に調べた情報によると、15ユーロ程で泊まれる安いペンションがあるようだったので、そのペンションに行った。すると、そのペンションで日本人の女性が働いていた。あまり突っ込んだ質問はしなかったが、日本で生まれ、ポルトガルで育ち、その後、宿のオーナーであるポルトガル人男性と結婚し、その宿で働いているようだった。

その日本人女性は私に様々な情報を教えてくれた。ポルトという町が世界遺産に登録されていることから、建物の改築から補修までUNESCOによって厳しく管理、統制されていること。したがって、観光客はいいが住む者にとっては面倒なことが多いということ。また、ポルトガルのおいしい料理、おいしいワイン、おすすめの町といったことまで。ポルトガルのガイドブックを持たない私にとっては、実に有難い情報だった。

そして、その宿で数日過ごしたある日、もっと驚くことが起きた。
外に観光に出ようと部屋から階段を降り、宿の受付の前を通ろうとすると、“ひで”がいるではないか。

ひでとの出会いは、中国からベトナムに国境を越へた日まで遡る。その国境を越えるバスに同乗していてたひでは、ベトナムのバス休憩所で私に話しかけてきてくれた。その時、ひでは同い年22歳の“こうへい”と行動を共にしていて、それから先も、ベトナムを南下してカンボジアに入りタイへ抜けるまでのルートが皆同じだったため、行く先々でひでとこうへいと食事や酒を共にした。

特にカンボジアのアンコールワットのある町シェムリアップでは、毎日何十キロも自転車を走らせて遺跡巡りをしては、夜、3ドルで食べ放題の店で食事する、という日々を過ごしたのがとても思い出深い。自分のなかで間違いなくあの時が、この旅における“青春時代”だった。だから、シェムリアップで別れてからも、ひでとこうへいは元気かな、と考えることがよくあった。

その後、偶然にも、ひでとはマレーシアのクアラルンプールで再会し、こうへいとはインドのバラナシで再会した。本当に驚きだった。

そしてなんと、ひでとここユーラシア大陸の西端の国で、二度目の再会を果たすとは。なんていうミラクルだろう。ヴァスコ・ダ・ガマか、フランシスコ・ザビエルか、はたまたルイス・フィーゴの力だろうか。再会後にひでと一緒に町を歩きながら話をするも、驚きの余韻が残り、地に足が着かない感じがした。でもそれは、ひでも同じだったに違いない。

ひではお兄さんの結婚式のため年末年始に一時帰国。その後、カンボジアで学校建設のボランティアをし、歯が欠けるというトラブルに見舞われながらも、旅を再開させ、インド、中近東、モロッコ、スペイン、ポルトガルへと進んできたようだ。この先は、一度スペインに戻り、マドリッド、バルセロナを訪れ、南米に飛ぶらしい。

別れの時、「気をつけて、そして、楽しんで南米を旅してきて」とひでに伝えると、ひでは私に、「旅の最後、気が緩みがちだから気をつけてください」というアドバイスをくれた。さすがは世界の“ひで”だ。終了間際のロスタイムが一番危険な時間帯だということを知っているのだろう。

有難いアドバイスだと思うと共に、ひでの言った“最後”という一言を聞いたとき初めて、この旅がもうすぐ終わるのだということを実感した。


追伸、
永遠に続くと思えた旅ももう終わります。
最後、自分のなかでこの旅をゆっくり整理して、心落ちつけて日本に帰る予定です。 なので近々、最終回となりそうです。


ひでと再会した世界遺産の町、ポルト。


再会後、ATMから現金をパクろうとするひで。(パクってません)


再会後、犬を盗撮するひで。(じゃなくて、ひでを盗撮する俺)


ひでとこうへいと往復120キロを原チャリで走って行った、なつかしのベトナム、ミーソン聖域。


なつかしのベトナム飯、確か全部含めて80円くらい。
Posted by Picasa

5 件のコメント:

  1. お疲れ様です!最後までぜひお気をつけてください!

    -じゅん

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  2. 用心しながらも、旅最後まで楽しんでくださいねー

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  3. じゅんちゃん

    夏休みはは東南アジア行くんだっけ?
    そちらも気をつけて、楽しんできてください。
    というか、もう大学生は夏休み始まってるのかな。


    こぶ様
    こぶさまの夏休みはインドでしたっけ?
    インド、今、暑そうだな~。
    夏の時期のインド旅は苦行だね。多分。

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  4. おいーす!
    そうです!ひでです(笑)
    いやーあん時はびっくりしすぎて鳥肌たっちゃいまいたよ。
    確かにはじめてあったベトナムの国境は俺にとっても青春時代だったと思います。ミーソン遺跡への道のり楽しかったもんなぁ。

    こっちはもうペルーです。今度は日本で!必ず会いましょ~、楽しみにしてます♪

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  5. ひでへ

    旅の最後気よつけろ、っていうすごくいいアドバイス、本当にありがとう。日本でゆっくり飲める日が楽しみだね!!

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