2010/10/14

嵐の前の静けさ

ポルトガル、良かったぞ。また一つ、思い出深い国ができた。スペイン行きのバスのなかでそんな感傷にふけり外を眺めていた。もし、スペインが優勝したなら、どうしようか?とにかく誰かに自慢したい。大人にあからさまに自慢するのは、みっともない。では、将来の孫にでもこう自慢しようか。「じいちゃんはな、スペインがワールドカップで初めて優勝した時に、スペインに居たんだぞ。」

ん、孫?
孫の前に子供だろ。子供の前に嫁だろ。嫁の前に彼女だろ。彼女の前に仕事だろ。ひとつひとつ突破していかなくてはならない壁を思い浮かべると、日本代表が優勝するのと同じくらい夢物語のようだと思えてしまう。はたして、未来に孫は現れるのだろうか?

そんなくだらないことを考えているうちに、13時半にバスは着いた。ここはスペイン第4の都市、アンダルシア州の州都、セビージャ。ワールドカップ決勝を観戦する舞台として、不足はない。バスターミナルから、事前に調べておいた安ホステルに向かう。しかし、ワールドカップの決勝当日だというのに、街に車も人通りもほとんどない。数分後、そのわけに気づかされる。暑い、とにかく暑い。気温が何度あるのかわからないが日差しがポルトガルの1.5倍増しだ。そうだ、この暑さだ、人が居ないのは、シエスタしてるためだろう。きたるべき決戦の刻に合わせて、エネルギーを充電してるのだ。

安ホステルにたどり着き、ドミトリーにチェックインすると、欧米人のバックパッカーどもが、ほとんど裸の状態でベットの上でへたりながら昼寝していた。そして、そのホステルの情報掲示板にはこう書かれていた。

「Have a siesta in the hottest hours」

暑い時間に出歩いてんじゃねえぞ、と。





42℃、静まる街。
 
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